くらし情報『ISC 2015に見る今後のスーパーコンピューティングの方向性 (9) 将来のノードアーキテクチャはどうなるのか(3)』

2015年8月7日 13:00

ISC 2015に見る今後のスーパーコンピューティングの方向性 (9) 将来のノードアーキテクチャはどうなるのか(3)

図4.15はこれらの改善がチップ面積、整数演算性能、浮動小数点演算性能、そしてエネルギー効率に与えた影響をグラフで表したものである。例えば、オンチップのキュッシュはチップ面積を4倍あまり大きくし、整数演算性能を2.3倍程度に向上させ、エネルギー効率的には若干改善をもたらしている。

スーパスカラ、O-o-Oと投機実行、深いパイプラインなどはチップ面積を増大させているが、それなりに整数や浮動小数点演算を向上させている。しかし、それぞれのマイクロアーキテクチャはエネルギー効率的には20~30%の効率低下を引き起こしている。増加させたパイプライン段数を元に戻すという変更は整数演算性能を10%程度、浮動小数点演算性能を40%近く低下させているがエネルギー効率を3.5倍に向上させている。

速度重視の時代には、クロック周波数を上げるためにパイプライン段数を深くしたが、消費電力が問題になり始めると、深いパイプラインが姿を消したのはこのためである。

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