戦略イメージングの深化とセンシングの進化で新たな価値を生み出す - ソニーが語った20年後まで見据えたイメージセンサ戦略(前編)
著者注:「イメージセンサ事業部」は最近「イメージングシステム事業部」と改名し、イメージセンサという部品提供にとどまることなく、システムソリューションの提供に力点を移しているようだ。
○目標は「フィルムを越える」から「人の目を越える」へ
ソニーは1970年からイメージセンサを開発してきて、1981年には今のデジタル・スチルカメラの原型とも言える電子カメラ「Mavica」を発表した。CCDイメージセンサの開発に着手した際の目標は「写真フィルムを超える」だった。時代は、CCDからCMOSへと移り、CMOSイメージセンサの開発目標は「人の目を超える」に定めて長期的視野で開発を進めている。
現在、イメージセンサは、スマートフォン、タブレットなどのモバイル、デジタル・スチルカメラ、デジタル・ビデオカメラ。一眼レフ、医療用、防犯・監視用、放送・シネマ用、車載用と様々なエレクトロニクス製品に使われている(図3)。
イメージセンサの市場規模は、デジタル・ビデオカメラ向けが四半世紀以上前から1000万個規模(年間出荷台数)、今世紀に入り急拡大したデジタル・スチルカメラ向けがその10倍の1億個規模、そして携帯電話からスマートフォンへと変貌したモバイルフォン向けがデジタル・スチルカメラの10倍の10億個規模である(図4)。