戦略イメージングの深化とセンシングの進化で新たな価値を生み出す - ソニーが語った20年後まで見据えたイメージセンサ戦略(前編)
衰退気味のデジタル・ビデオカメラやスチルカメラ市場に対して、モバイル向け市場はさらに20億個へと規模拡大中で、まだまだ伸びる。その次の主役については後述する。
ソニーにおけるイメージセンサの売り上げは、2014年は前年比5割増し、2015年は3割増しと勢いが止まらない(図5)。モバイル向けビジネスの比率は高まるばかりで、現在売り上げの8割を超えている。今後少なくとも数年はスマートフォン向けの拡大に注力し、新たな価値提案をしてスマートフォン向けカメラの世界を変えていく。Audio-Visual向け需要は減る方向だが、これを監視用で補って非モバイル向けビジネスの売り上げは現状維持する。新規領域としては、医療向けや車載向けの仕込みを着実に行う。
ソニーのイメージセンサ生産能力は、2010年末に月産2万5000枚(300mmウェハ換算)だったが、現在は6万8000枚と3倍近く増産しており、2016年9月には8万7000枚へと増やす計画だ(図6)。
今までも熊本テック、長崎テック、山形テック(旧NEC山形、旧ルネサス山形セミコンダクター鶴岡工場をソニーが買収)に継続的に設備投資をしてきたが、今後もいままで以上に効率的な投資を行い、ROIを改善させる。