くらし情報『千葉工大、天体重爆撃が金星を乾燥させたと発表- 地球との差を生んだ要因か』

2015年9月7日 16:14

千葉工大、天体重爆撃が金星を乾燥させたと発表- 地球との差を生んだ要因か

形成末期の金星は現在の1万倍の頻度で天体衝突が起きていたと考えられている。この時期は天体重爆撃期と呼ばれ、水蒸気大気の光化学分解が進行する時期と重なっている。同研究グループは、天体衝突が金星の地殻・マントルを粉砕・掘削して、岩石塵を高温の初期金星大気中に放出し、その結果岩石塵と高温の酸素大気が反応し、岩石が酸化されることで大気から酸素が取り除かれたとする説を提唱。初期金星への天体重爆撃の数値モデルを構築し、天体重爆撃によって粉砕・掘削される岩石の総量を計算した。

その結果、大気に放出される岩石塵の総質量は現在の地球大気質量の1万倍におよび、原子金星においては主要な酸素消費源となり得ること、ならびに強い紫外線による宇宙空間への水素散逸効果と合わせると、金星表層から水分を消失させる可能性があることが示された。

初期地球にも金星と同程度の天体重爆撃があったと推定されるが、地球は太陽からの距離が金星よりもわずかに遠いため、水蒸気大気が凝縮して海洋を作り、紫外線による光化学分解を免れたと考えられる。この場合は、天体衝突によって岩石塵が大気中に放出されても、酸化反応が効率良く進むことはない。

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