2015年9月17日 16:16
東大など、世界最高効率で実際の太陽光から水素を製造することに成功
東京大学は9月17日、高効率太陽電池の電力で水を電気分解するシステムを構築し、太陽光エネルギーの24.4%を水素に蓄えることに成功したと発表した。同大学によれば、世界最高効率だという。
同研究成果は同大学の杉山正和 准教授、藤井克司 特任教授、宮崎大学の西岡賢祐 准教授らの研究グループによるもので、科学誌「Applied Physics Express」に掲載された。
水素は自動車などのクリーンな燃料として今後の需要増大が見込まれているが、現在は化石燃料から製造されている。太陽光から効率よく低コストで水素を生成する技術の開発が望まれているが、これまでの光触媒を用いた手法では、太陽光から水素へのエネルギー変換効率は10%未満だった。
10%を超える変換効率を達成した例としては、集光型太陽電池と水の電気分解装置の組み合わせを用いたオーストラリアのグループの22.4%という記録があるが、これは実験室内の模擬太陽光源で得られた結果だった。
今回の研究では、新型の高効率集光型太陽電池に高分子膜を用いた水の電気分解装置を接続し、実際の太陽光下で安定的に水素を製造することに成功し、変換効率24.4%という世界最高記録を樹立した。