2015年9月18日 11:00
イプシロン・ロケット、初打ち上げから2年 - そして「強化型」へ (3) イプシロン成功の鍵は「商業打ち上げ」
○打ち上げ数をどう確保するか
H3のブースターを使ったイプシロンや、最終形態が完成したとして、次に目指すべきなのは、安定した数を継続して打ち上げることだろう。特に、当初目標とされた、1機あたり30億円前後という打ち上げコストを実現するには、とにかく数多く量産し、打ち上げなくてはならない。
しかし、小型の科学衛星については2年に1回、またさらに小さな規模の革新的衛星技術実証プログラムも2年に1回ほどの頻度しか計画されておらず、これでは少ない。特に革新的衛星技術実証プログラムは、1回の打ち上げで超小型衛星を複数搭載することも考えられているため、純粋に1回につきイプシロン1機を使うということにはならない。小型科学衛星と革新的衛星技術実証プログラムとは別に、2016年度には経済産業省の小型地球観測衛星「ASNARO-2」、さらにその後には、ヴェトナムの小型地球観測衛星「LOTUSAT1」と「LOTUSAT2」の打ち上げも計画されている。LOTUSATはASNARO-2の同型機で、日本がヴェトナムに対して行う円借款によって造られる。ただ、それでも合計3機で、また毎年発生する需要でもないため、打ち上げ数が不足することには変わりない。