2015年9月28日 06:00
行った気になる世界遺産 (23) かつて世界の銀産出量の半分を担った銀山のあるラテンアメリカの街は今……
○世界遺産データ
『ポトシの市街』(文化遺産)。ボリビア。1987年登録。
2014年、2015年と日本から誕生した世界遺産はいずれも産業遺産でした。世界を見てみると、多くの産業遺産が登録されています。例えば南米のボリビアにあるポトシには、かつて世界の銀産出量の半分を産出したという銀山があります。
銀の産出が減少すると同時に街も衰退していきました。筆者もこの地を訪れたことがありますが、かつての栄華はどこへやら、土ぼこりで茶色くすすけた街並みが続いていました。
街の奥にあるのは、赤茶けた禿山のポトシ銀山です。
この銀山を訪問するツアーがあるのですが、かなりハードとのうわさ。筆者は閉所が大の苦手なので断念しました。訪問した旅人によると、鉱山で働く作業員へのお土産にコカの葉などを調達していき、狭い坑道を延々歩いたせいで少々気持ち悪くなったとか。
ポトシからバスで3時間ほどのところにも、世界遺産である『スクレの歴史都市』があります。こちらはポトシより標高が低く過ごしやすいことから、支配者のスペイン人はポトシではなくスクレで生活しました。ポトシとはだいぶ趣の異なるヨーロッパ風の街並みが広がっています。