白物家電や照明器具や玩具など、さまざまな分野に使われるようになってはじめて、本格的な普及期を迎えたと言える。しかし、普及期の担い手は、電子機器の開発経験の乏しい、開発リソースが限られる中小企業ばかりであるから、キャズムを越えるには、そのための戦略が必要だ」と述べた。
これを受けて、IDTのアナログ・パワー部門プロダクト・マーケティング担当DirectorであるLaurence McGarry氏(図5)がワイヤレス給電を普及させる戦略を語った。
McGarry氏は、「当社が積極的に参画しているWireless Power Consortium(WPC)がワイヤレス給電の規格Qiを策定して以来、Qi規格対応製品は増えてはきているが、残念ながら当初の期待ほど普及の勢いはない。そこで、ワイヤレス給電を広く普及させるために、電子機器の開発経験に乏しい、開発リソースが限られる中小企業など、近い将来の普及期の担い手向けに、簡単に使えるワイヤレス給電の開発キットを今夏市場投入した」と述べた。この開発キット(図6)をワイヤレス給電普及の起爆剤としたい考えだ。
この開発キットはQi規格に準拠し5Wの給電が可能である。