2015年11月4日 14:18
世界よ、これが「高度化」だ - 今度のH-IIAロケットは一味違う
また、H-IIAで打ち上げるために造られた衛星は、他のロケットに合わせた場合よりも若干割高になってしまう。
このことが、国内外の衛星通信会社から衛星の打ち上げを受注しようとした場合に、H-IIAにとって大きな足枷となっていたのである。
○高度化でロケットはより長く飛ばせるように
この格差を埋め、H-IIAでも他のロケットと同じ条件の軌道まで衛星を運ぶことができるようにするために、JAXAと三菱重工は2011年度から「高度化」と呼ばれる改良開発を始めた。
この高度化では、主に第2段機体に大きく手が加えられている。第2段は宇宙空間を航行し、最終的に衛星を分離する役目を担っており、この改良により、ロシアや米国、中国のロケットが行っているのと同じように、H-IIAでも衛星が負担していた分の一部を肩代わりできるようになる。
しかし、それは簡単なことではない。衛星の肩代わりをするということは、ロケットの第2段が衛星のように長時間宇宙を飛び、またこれまでより地球から遠く離れたところでエンジンの噴射などをできるようにしなければならない。
たとえばロケットが長時間飛行すると、太陽の光が当たり、温度が徐々に上がってしまう。