巨人Intelに挑め! - 自作PCユーザーを歓喜させたK6シリーズ (9) Socket7マザーボードCPUの主流となったAMD K6(後編)
であった。
田舎の大学の数学教授が発見したPentiumのバグ問題は、教授がこの事実とIntelの対応をインターネットで公表すると瞬く間に広がり、パソコンユーザー、メディアはヒステリー状態に陥った。
この時点でも、Intelはこの現象の発生率は非常にまれで、次の製品で改善するのでリコールはしないという立場をとっていたが。 ユーザーやメディアのプレッシャーに押される形で、IBMをはじめとするパソコンメーカーがIntel Pentium搭載のパソコンのリコール交換に応じたことで、IntelもついにPentiumのリコールに踏み切った。
パソコンの中に内蔵されているCPUのような通常人が目にしない製品のリコールでは最大規模のケースで、結果的にIntelの損金は数億ドルに達したが、巨大企業のIntelにとって最も痛かったのは損金ではなく、ブランドへのダメージであった。
我々AMDとしては、この件について調子に乗ってIntel批判をすることを控える方針を決めた。当時、コンピュータの頭脳であるCPUの集積度はトランジスタ数で言えばすでに1000万個に達していた、そんな複雑な製品を何千万人に売っているという現実は我々半導体屋の想像をはるかに超えていた。