くらし情報『産総研、極薄コバルト層の開発で不揮発磁気メモリーの記憶安定性を2倍に』

2015年12月18日 11:56

産総研、極薄コバルト層の開発で不揮発磁気メモリーの記憶安定性を2倍に

産総研、極薄コバルト層の開発で不揮発磁気メモリーの記憶安定性を2倍に
産業技術総合研究所(産総研)は12月17日、次世代のメモリーデバイスであるスピントルク書込型磁気ランダムアクセスメモリー(STT-MRAM)に用いられる垂直磁化トンネル磁気抵抗(TMR)素子の記憶安定性を従来の2倍に向上させたと発表した。

同成果は、同研究所 スピントロニクス研究センター 金属スピントロニクスチーム 薬師寺啓 研究チーム長らの研究グループによるもので、近く科学誌「Applied Physics Express」のオンライン版へ掲載される。

TMR素子をベースとするSTT-MRAMは、不揮発、高速、高書き換え耐性などの特徴を持ち、特に不揮発性によって記憶維持のための電力が不要になることから、省エネルギー型の新世代ユニバーサルメモリーとして注目を集めている。デバイスとしては、不揮発性を活かした、ストレージと組み合わせた周辺メモリーや、従来の半導体メモリー(DRAM)を凌駕する大容量メインメモリーが想定されている。しかし、STT-MRAMでは、素子サイズを小さくするほど記憶安定性を確保することが難しく、現在国内外で主流とされている垂直磁化TMR素子の構造や材料では、30nmサイズを境に記憶安定性の頭打ちが見られ、DRAM代替に必要な20nm以下のサイズは困難となっている。

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