くらし情報『「はやぶさ2」地球スイングバイの誘導精度は300m、観測機器の健全性も確認』

2015年12月25日 18:50

「はやぶさ2」地球スイングバイの誘導精度は300m、観測機器の健全性も確認

も実施していた。ここでイオンエンジンを使ったのは、RCSの燃料消費を少しでも抑えるためだ。RCSは小惑星に到着後、タッチダウンなどで使用する。未踏の小惑星では、何が起こるか分からない。燃料さえあれば自由度は増すので、少しでも節約しておきたいのだ。

JAXAは当初、12月1日に3回目(TCM3)を実施する予定であったが、11月30日に軌道を推定したところ、TCM2までで十分な精度を達成できたことが分かり、TCM3はキャンセル。津田雄一・はやぶさ2プロジェクトマネージャによれば、「30km以内なら成功と見ていた」とのことで、3kmの誤差であれば、イオンエンジンの燃料消費もほとんど増えない。

TCM3をキャンセルしたことで、JAXAは誘導目標点を変更、当初の的の中心から、3km離れたTCM2後の予測点を新ターゲットに設定した。
スイングバイ後に軌道を正確に解析したところ、実際にはやぶさ2が通過したのは、そこから300mほど離れた地点だった。これにより、JAXAは「最終的な軌道誘導精度は300mだった」と結論付けた。「当初の目標地点から3km離れているんだから、軌道誘導の精度は3kmでは?」と思うかもしれないが、もし12月1日にTCM3を実施していたら、ほぼ同程度の精度で、的の中心近くを通過することが可能だったと見られている。

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