2016年1月4日 10:11
航空機とIT (75) 実機拝見(9)エアバスA320
これは、F-16と同様にフライ・バイ・ワイヤ(FBW)を導入するとともに、操縦輪を止めてサイド・スティックにしてしまったせいだ。ただし、F-16は右手でサイド・スティック、左手でスロットル・レバーと決まっているが、A320は正副操縦士席で配置が逆になる。
つまり、右席の副操縦士は右手でサイド・スティック、左手でスロットル・レバーを操作するが、左席の機長は左手でサイド・スティック、右手でスロットル・レバーを操作する。最も使う重要な操縦装置が左右逆転して混乱しないのかと思うが、もともとスロットル・レバーは正副操縦士席が並列配置なら右手操作だったり左手操作だったりするものだし、案外とすんなり慣れることができるのかもしれない。
単に見た目がスッキリするとかハイテクっぽいとかいうだけでなく、サイド・スティックにすると身体の前の空間に余裕ができるし、テーブルを設置して書類などを広げる余地もできる。
A320機が「ハイテク化された旅客機」と呼ばれる場合、それを構成する主な要素はFBWとサイド・スティックの組み合わせ、それとグラスコックピットであると言える。○旅客機をFBW化する利点
ただし旅客機の場合、F-117Aみたいに「ステルス性を重視したために、飛行制御コンピュータがないとまともに飛べない」