2016年1月9日 10:30
2016年はAPTが減り、ファイルレスの見つけづらい攻撃へ - カスペルスキー
APT、日本語では標的型攻撃とされる攻撃だが、このAPTは2016年に「姿を消す」とカスペルスキーが同社のブログ「Kaspersky Daily」で解説している。
「消える」とする一方で、胸をなで下ろすのは「時期尚早」とするカスペルスキー。その理由について、APT自体がなくなるのではなく、「より深い水面下の攻撃に変わり、攻撃の検知や犯人の特定がこれまでよりも難しくなる」と説明している。
APTはそもそも「Advanced Persistent Threat」と、Advanced(高度)かつPersistent(執拗な)脅威であることから、日本語でAPTの訳として使われる「標的型攻撃」とは意味がやや異なる。この、高度で執拗な脅威が、攻撃の手法を変えてやってくるというのがカスペルスキーの予想だ。
攻撃手法は、メモリ常駐型でファイルレスなマルウェアに軸足が移る。これにより、感染先に痕跡が残りづらくなり、検知を回避する可能性が高くなる。これに加えて、高度なマルウェアに注力する傾向も弱まるとしており、ブートキットやルートキット、カスタムマルウェアの開発に費用がかけられることは減り、既製マルウェアの流用が増えていくとしている。