くらし情報『カーエレクトロニクスの進化と未来 (82) クルマの全体最適化を容易にするメンターのソフトウェア』

2016年1月15日 10:00

カーエレクトロニクスの進化と未来 (82) クルマの全体最適化を容易にするメンターのソフトウェア

を実現するための提案形式になっている。このようにして鳥瞰してそれぞれのシステム設計者にまるで落とし込むように仕様を手渡す。

このプロセスのメリットは何か。各ECU特有の最適化をするとコストがかかるが、全体を鳥瞰するため、そのコスト上昇を避けることができる。目標を達成するために各設計者とコラボレーションしてやり取りし、全体最適を図ることができる。この手法は開発から生産設計へとシームレスに流すこともできる。

こういったツールが出てきた背景には、ADAS(先進ドライバー支援システム)や自動運転のようにIT系と車体の制御系の2つを利用するシステムが大規模化してきたためである。図4のように、例えば前方のクルマや障害物に衝突しそうになる時に自動的にブレーキがかかるようなシステムは、レーダーシステム、障害物との距離を計算するシステム、クルマのスピードを測定するシステム、ブレーキ制御システム、計算した結果危険を知らせる警報システム、警報をLCDに表示するシステム、警報をLEDに点滅させて知らせるシステム、などECUだけでも数が増えてしまう。
それらをつなぐワイヤハーネスの情報も必要だ。それぞれのECUだけを手掛けていてはADASシステム全体としての最適状態を把握できなくなってしまう恐れがある。

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