くらし情報『京都大などがALSの病原タンパク質を分解する仕組み発見 - 治療法開発へ期待』

2016年1月15日 11:44

京都大などがALSの病原タンパク質を分解する仕組み発見 - 治療法開発へ期待

標識した TDP-43タンパク質を「ユビキチン・プロテアソーム系」(ユビキチンという小さなタンパク質を標識に用いて、標的となるタンパク質を特異的に分解するタンパク質分解機構)に必要な分子を含む細胞破砕液と混ぜてユビキチン化反応を起こし、ReCLIP法という方法でユビキチン化の過程でTDP-43と架橋剤で結合させられたタンパク質を回収。結合を解離させた後に質量解析を行い、アミノ酸配列を同定した。

さらに、同定された分子が病的なTDP-43のユビキチン化や分解、さらにALSの病態とどのように関連するかを調べるべく、培養細胞の遺伝子導入実験や独自の抗体を用いたALS患者組織の組織化学解析を行った。

質量解析の結果、VHLとCUL2からなるユビキチンリガーゼ複合体が、ALSで出現する病的なTDP-43と結合し、ユビキチン化とプロテアソームでの分解を促進することを発見した。

また、TDP-43分子の中で異常構造の目印となる配列(246番グルタミン)を特定。一方で、培養細胞ではVHLタンパク質のみが過剰になると、むしろTDP-43は異常に蓄積し、病的な凝集および封入体形成を促進するというALS病態の悪化を再現した。

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