日立、大規模施設での危険物検知技術や不審者追跡技術などの新技術を開発
本技術では、施設内に配置したパイプから、複数地点の空気を同時に吸引することで効率的に分析。不審物から危険物質が検出されたときに、それがどの地点で吸引されたかを特定するために、複数本のパイプの組み合わせを変えながら吸引と分析を繰り返すことで、得られた検出信号から発生地点を明らかにする信号処理技術を開発した。
「服装や手荷物、移動ルートなどを手がかりに人物を特定する不審者追跡技術」は、混雑する施設で、たとえカメラ映像に顔が映っていなくても、服装や手荷物の色、移動した経路(軌跡)など断片的な情報を利用して、不審者を高速、高精度に探し出す追跡技術を開発。蓄積された大量の監視カメラ映像の中から効率的な検索を行なうために、人物のパーツ(顔、頭部、口元、上半身、下半身)ごとの特徴(形状、色)を自動で抽出してデータベースに格納。さらに、人物の移動軌跡情報を抽出し、パーツ情報と紐付けて登録することで、"上半身は青シャツ、下半身は黒ズボン、緑のバックを背負い、廊下を通り過ぎて行った"といった条件で不審者の検索を行なう。開発した3つの新たなセキュリティ技術をITで連携することにより、どの人物の荷物から危険物が検出され、その人物がどのような軌跡で施設内を移動し、現在どこにいるのかを知ることができ、また本人認証や手荷物に対する検査結果から、安全と評価された人物やモノは、顔認証などウォークスルー型の簡便なチェックにするなど、安全性評価に応じた利便性の高いセキュリティサービスが可能になるという。