2016年1月25日 16:26
東京都の組体操事故、小学校では1年で563件 - 安全対策の検討開始
中でも小学校での事故件数のうち、児童が骨折したケースは158件となっている。
さらに同センターが平成21年度の災害共済給付データにより統計を出したところ、都内の小学校において、運動会で起きた事故の件数は931件。競技の内容としても「組体操」や「騎馬戦」が上位に入っている。
○考えるべきは安全を守るための「準備」と「体制」
この現状を受けて坂田教授は、「組体操などの体育的な活動は、心身の調和的発達を図る教育的な効果を有している」と意義を説明。一方、「学校は児童・生徒の安全を確保するために必要な措置を講じる義務がある」として、「その調和点をどこに見出していくのかを検討しなければいけない」と問題提起した。
このあと、協議のポイントを示すために紹介したのが、組体操事故に関する裁判事例だ。
1つめの事例としてあげたのは、平成15年5月に都内の小学校で起きた5人1組で行う組体操の事故だ。練習を行っていた際、当時6年生の女子児童が、組体操から転落し、前歯3本を折ったというもの。
裁判所は「各役の児童に対し適切な指示を与え…(中略)…段階的な練習を行うなど、児童らの安全を確保しつつ、同技の完成度を高めていけるよう配慮すべき義務を負っていたというべきである」