2016年2月1日 17:10
NICTなど、シリコンCMOS集積回路によりテラヘルツ波を用いた無線技術を開発
今回、3次非線形回路を用いる周波数変換技術により、局部発振信号の周波数帯を搬送波(300GHz帯)の1/3の周波数(100GHz帯)に下げることが可能となった。同技術を用いることで、シリコンCMOS集積回路により、変調信号を歪ませることなく周波数変換を行うテラヘルツ波帯周波数変換回路を実現した。
また、3次非線形回路を並列接続し電力を結合する技術を開発することで、テラヘルツ波帯信号の出力を向上。並列化回路の配置設計が効率的に行え、電力結合が効果的に行えることを考慮し、32並列とした。
さらに従来、互いに位相の反転した信号対である差動信号を用いる回路は、受動素子を組み合わせた差動信号を生成する回路とトランジスタによる増幅回路をそれぞれ設計し接続する構成をとっていたが、今回、トランジスタによる回路に増幅機能と差動信号を生成する機能を組み込むことで、回路の小型化を実現した。テラヘルツ帯無線通信システムの実用化には、このほかに300GHz帯受信回路、高速通信に対応したデジタル信号処理による変復調回路が必要となる。同研究グループは今後、これら無線通信システムに必要な回路の基盤技術を開発し、シリコンCMOS集積回路による無線通信システムの実用化を目指すとしている。
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