2016年2月5日 11:54
"格安スマホ新時代"はまだ先か? 注目機能を巡るMVNOの温度差
さらに同社は既に10億円規模の投資を実施していることから、HLRやHSSの導入に必要とされる投資額も「現実的なものだ」としている。
だがそれ以外のMVNOは、HLRやHSSの導入に慎重な姿勢を崩していない。1月19日に実施されたインターネットイニシアティブ(IIJ)の記者説明会で、ネットワーク本部技術企画室の佐々木太志氏は、投資コストがかかることから、格安SIMとして知名度を高めている現在のMVNOと、HLRやHSSの開放は「必ずしも親和性が高いものではない。投資に見合う新たな事業の立ち上げが求められる」と話している。同様の発言はケイ・オプティコムや楽天など、いくつかのMVNOの記者説明会で見られ、多くのMVNOが導入に慎重な様子であることをうかがわせている。
こうしたMVNOの反応を見るに、実際にコストをかけてHLRやHSSを導入し、独自のサービスを提供できるMVNOの数は相当限定されるものと考えられる。それ以外のMVNOは、差別化が難しく価格競争が激しい中で現在のサービスを続けるか、HLRやHSSを導入したMVNOから回線を借りて差別化を図るか、あるいは撤退するかの3択を迫られることとなり、将来的にはMVNOが、水面下でいくつかの陣営に統合されていく可能性が高い。