「重力波」の観測に初成功 - アインシュタインの予言から100年目の大成果
発表によると、観測に成功したのは日本時間2015年9月14日18時51分(米東部夏時間同日5時51分)のことで、今から約13億年前に、質量が太陽の29倍と36倍もある2つのブラックホールが合体したときに生成された重力波であったとされる。その後、今年1月までかけて検証が重ねられ、今回の発表となった。
重力波は、質量をもった物体がある法則で動く際、そのまわりの時空をゆがませ、さらにそのゆがみが波のように伝わるとされる現象で、別名「時空のさざ波」とも呼ばれている。重力波の存在は、物理学者のアルベルト・アインシュタインが1918年に、その2年前に発表した「一般相対性理論」を基に予言した。これまで計算や中性子星の動きの観測などから、間接的にその存在は証明されていたものの、直接観測に成功した例はなかった。
今回観測に成功したLIGOは、レーザー干渉計という観測機器を使って観測に挑んだ。
これはレーザーの光を直交するふたつの方向に向けて発射し、それぞれの反対側に置いた鏡で反射させて戻し、その2つの光を合成させて見比べるということを繰り返す。光は重力波によってゆがんだ空間に沿って飛ぶという性質があり、もし重力波によって時空がゆがめば、その分だけ光の飛ぶ距離が変わるため、合成した際に光の明るさが変化する。
LIGOはワシントン州のハンフォードと、ルイジアナ州のリヴィングストンの2か所に置かれたレーザー干渉計からなり、それぞれ1辺4kmのL字型のトンネルをもち、その中をレーザー光が何度も往復している。2005年から2010年にかけても観測が行われたが検出できず、その後検出能力を上げる改良が加えられ、昨年9月から観測が再開されていた。
また観測には、フランスとイタリア、オランダが開発した重力波観測所「VIRGO」(ヴィルゴ)、英国とドイツの重力波観測所「GEO 600」(ジー・イー・オー)の観測チームなども参加し、今回の世紀の大発見を支えた。今後、LIGOと同様に改良されたVIRGOや、日本の「KAGRA」(かぐら)も順次観測を開始する予定で、重力波のより詳しい研究が進む。また、重力波で宇宙を見る新しい研究が始まることで、これまで知られていた宇宙の現象に、また別の姿が見られたり、あるいは想像を超えるまったく新しい現象が見つかったりするかもしれないという期待も高まっている。
【参考】
・News | Gravitational Waves Detected 100 Years After Einstein’s Prediction | LIGO Lab | Caltech
https://www.ligo.caltech.edu/news/ligo20160211
・Detection | LIGO Lab | Caltech
https://www.ligo.caltech.edu/detection
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