くらし情報『分子研、植物より高効率で酸素を生む触媒を開発 - 人工光合成実現に前進』

2016年2月12日 21:01

分子研、植物より高効率で酸素を生む触媒を開発 - 人工光合成実現に前進

分子研、植物より高効率で酸素を生む触媒を開発 - 人工光合成実現に前進
分子科学研究所(分子研)は2月12日、植物の光合成よりも高い効率で水から酸素を発生する化合物を開発したと発表した。

同成果は分子研の正岡重行 准教授(総合研究大学院大学 構造分子科学専攻 准教授)、近藤美欧 助教、総合研究大学院大学の岡村将也氏らの研究グループによるもので、2月10日付の英科学誌「Nature」のオンライン速報版で公開された。

エネルギーおよび環境問題を解決する方策として、太陽光のエネルギーを貯蔵可能な化学エネルギーへと変換する人工光合成技術が注目を集めているが、酸素発生反応の効率の低いことが実現の障害となっている。酸素発生反応では、水分子が酸素分子、水素イオン、電子に分解されるが、この反応は非常に起こりにくいため、これを促進して酸素を効率よく発生させる高活性な触媒の開発が課題となっている。

植物の光合成では、タンパク質複合体である光化学系IIに存在する酸素発生錯体が高活性な酸素発生触媒として機能することが知られている。この酸素発生錯体を生体から取り出して触媒として使用することは非常に難しいため、人工的にデザインされた金属錯体を用いた酸素発生触媒の開発が試みられてきた。

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