2016年2月18日 12:00
「日本のアニメ」はCGに置き換わるのか - サンジゲン・松浦代表に聞く(前編)
カット単位でモデルをデフォルメするし、どんどん変形させていきます。
形は「正しい」はずなのになぜかキャラがかわいくない時には、アニメーター自身がモデルを直します。そのシーンでどうすれば良くなるのかは、アニメーターの方がモデラーよりもわかっているはずだからです。これをやらないと、形は正しいんだけど、いかにもCGという感じになってしまいます。自分がかわいいと思う表情や動きをアニメーター自身が作ることで、そこにセル画の原画担当のような個性が生まれるのです。
――なるほど。しかしセル画らしくするだけなら、CGを使わずにこれまで通り2Dの作画をすればいいだけですよね。あえてCGを使ってセルルックにしているということは、CGだからこその良さがそこにあるからでしょうか。
松浦:もちろんです。先ほどとは逆に、形が変わらないことがCGの武器になります。
たとえば手描きの作画だと避ける方法の一つにスローモーションがあります。なぜ避けるかというと、1枚1枚手描きすると、どうしてもズレが目立ってしまって動きがビヨンビヨンしてしまうんですね。これは手描きである以上、仕方ないことなんです。しかし、CGなら簡単です。