2016年2月22日 09:47
なぜ、NVIDIAが人工知能の進化を大きく左右するのか
こうしたGPUコンピューティングをいち早く提唱し、実践してきたのが米NVIDIA社だ。同社はゲーミングPC用の「GeForce」、あるいはグラフィックワークステーション用の「Quadro」といったGPUで知られているが、いずれも同社のGPU用開発環境「CUDA」を用いたプログラムで、3Dグラフィックではなく特定の演算処理を行わせることができる。
●GPUはCPUの最大10倍速
○GPUコンピューティングの先端を走るNVIDIA
実際、GPUで処理した場合とCPUで処理した場合では、最大で10倍近くもの速度差が現れる。あたらしいアルゴリズムを組み上げ、データを処理させた結果を確認し、新たな推論を打ち立てる人工知能開発の現場において、数週間かかっていたデータ処理が数日で終わることのアドバンテージは計り知れない。
NVIDIAは同社のGPUコアと大量のメモリを搭載した「Tesla」ブランドの演算カードを開発しており、これをセットすることでPCやワークステーション、サーバーがGPUコンピューティングに対応したアプリを超高速で実行できるようになる。拡張スロットに取り付けるタイプのカードなので、1台の本体に対して数枚のカードをインストールすれば、性能向上に対する空間効率も非常に高くできる。