2016年3月1日 15:53
理科大ら、植物を短時間で透明化する手法「TOMEI」を開発 - イネなら数時間
たとえば、短くても2~3日かかる透明シロイヌナズナの作製が、2時間に短縮できる。また、長時間処理による形態変化や含有物質の劣化・消失も防ぐことが可能。
また、3次元的に蛍光像を取得できるコンフォーカル顕微鏡では、通常約30µmの深度までしか蛍光像を得られないが、同手法を組み合わせた場合、200µm以上の深度まで蛍光像を取得でき、維管束や光合成を行う葉肉組織の構造でも容易に観察できるようになる。
さらにこのメリットを生かし、DNAと細胞膜を染める蛍光色素による染色、もしくは細胞核と細胞膜において発現する蛍光タンパク質と組み合わせることで、器官深部の細胞のDNA量と細胞の大きさを定量解析することができる。具体的な応用例として、同定量解析により、線虫が感染した根に形成された根瘤の深部にある巨大細胞は、DNA量と相関して細胞体積が増大することが明らかになっている。
同研究グループは今回の成果について、作物の細胞数や細胞体積を定量することによるバイオマスの評価、作物の内部構造に基づいた品種選抜や品種改良、作物内部に寄生している害虫の非破壊的検出など、農作物の解析・評価・定量に貢献することが期待されるとしている。
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