2016年3月9日 17:41
ミューイーガンマ崩壊発見されず、大統一理論のモデル見直しへ - 東大など
にしかないが、東京大学を中心とする日本の研究グループの実験提案がPSIに認められ、その後スイス・イタリア・ロシア・米国の研究グループが加わり国際共同実験「MEG」として研究を進め、2008年のパイロット実験の後、2009年終わりから2013年半ばまで約4年間にわたり断続的にデータを取得した。
同データを用いて、およそ2兆に1回のミューイーガンマ崩壊を発見できる世界最高感度で探索したが、今回、理論による予想にもかかわらず、この探索感度をもってしてもミューイーガンマ崩壊の発見には至らなかった。この結果は、これまで考えられていたシンプルな大統一理論とシーソー機構のシナリオとは矛盾するもので、宇宙の始まりを記述する標準理論を超える新理論の可能性に関して、これまでにない厳しい制限を加えることになった。
同研究グループは、今回のMEG実験の経験を活かしてアップグレード実験MEG IIの準備を進めている。MEG II実験では、MEG実験設計当時にはなかった新しく開発した測定器技術をいくつか採用して、MEGの約10倍の実験感度を達成できる見込みで、およそ25兆に1つのミューイーガンマ崩壊まで捉えることを目指している。