「空港民営化元年」で変わる空港経営 - 福岡・高松・新千歳が抱える課題
という落とし所が検討されており、これでは「県市が確実に勝ち馬に乗れる」方式になるだけだ。
他方、地元の民間企業群にも積極的な動きがあり、福岡財界の中心である「七社会」、つまり九州電力、西鉄、JR九州といった中軸企業が「地元連合」を組織し入札しようしている。資金面で足りない部分を補う「外部プレーヤー」を加え、コンソーシアムを組む方式が有力と言われている。しかし、地元自治体や財界を敵に回しては事業運営が成功するはずもないので、外部参入者がどこまで主導権を握れるかは不透明であり、新運営権者が独自の経営で新たな空港運営を築くには制約を受ける可能性がある。
○空港容量も課題
また、福岡は容量が限界に達しつつあり、2016年夏ダイヤ以降はレベル3という最高格の混雑空港指定となった。2019年度末に誘導路の複線化、2025年度末平行滑走路の新設が計画されているが、滑走路間隔が狭いため空港容量は20%程度しか増えないとみられ、空港内のエプロン数の制約も拡大にブレーキをかける。より容量の増える志賀島沖新空港が議論されてきたが、地元の利害意識は空港よりもむしろ、新空港建設による天神地区の建築規制の緩和にあった。