2016年3月15日 13:14
東工大、重い酸素同位体26Oの質量を高精度測定 - 核力などの解明に手がかり
東京工業大学(東工大)は3月15日、8個の陽子と18個の中性子からなる質量数26の酸素同位体26Oを人工的に生成し、その質量を精度よく測定することに成功したと発表した。
同成果は、東京工業大学大学院 理工学研究科 近藤洋介 助教、中村隆司 教授、理化学研究所(理研) 仁科加速器研究センター 大津秀暁 チームリーダー、米田健一郎 チームリーダーらの研究グループによるもので、3月9日付けの米国科学誌「Physical Review Letters」電子版に掲載された。
天然に存在する安定な原子核は陽子数と中性子数がほぼ等しいが、中性子数を増やしていくと不安定になり、さらに中性子数を加えていくと、中性子を原子核に結びつけておくことができなくなる。陽子の2倍以上の中性子を含む26Oの場合、最後の2個の中性子は結合されていない非束縛の状態にあることが実験的に知られていたが、束縛に必要なエネルギーや非束縛の度合いはこれまでわかっていなかった。
今回の研究では、寿命が極めて短い同原子核を、理研RIビームファクトリーにおいて48Ca(質量数48のカルシウム同位体)→27F(質量数27のフッ素同位体)