くらし情報『アルツハイマー病の原因因子の可視化に成功 - 発症の仕組み解明に期待』

2016年3月18日 10:45

アルツハイマー病の原因因子の可視化に成功 - 発症の仕組み解明に期待

研究チームは今回、アミロイドβたんぱく質とGFPをつなぐアミノ酸配列(リンカー)として、14個のアミノ酸を用いてアミロイドβ分子の重合体が形成されても蛍光を観察できる「アミロイドβ-GFP融合たんぱく質」(アミロイドβ-GFP)を開発。

このアミロイドβ-GFPを核磁気共鳴装置や電子顕微鏡、免疫組織化学法、蛍光相関分光法で解析したところ、GFPを融合させたことでアミロイドβの重合が一定以上進まず、生体内でも生体外でも2量体から4量体を中心としたオリゴマー(単量体が少数個結合<重合>した物)の状態で存在することがわかったという。これらの特徴を活用し、生きた細胞内でアミロイドβの動きや、初代培養神経細胞内での蓄積状態などの解析が可能となるとのこと。

また、アミロイドβとGFPをつなぐリンカーが短いと、重合の影響を受けてGFPの蛍光は観察されなくなる。そこで研究チームは、今回発見した現象を利用して重合の状態が検出できるシステムを考案し、GFPの蛍光強度を利用した治療薬候補物質のスクリーニングが可能か否かを実証した。その結果、GFP単独を特定の神経細胞に発現させたトランスジェニック線虫では神経細胞内で明瞭な蛍光が観察できたが、2個のアミノ酸からなる短いリンカーを持つアミロイドβ-GFPを発現させた線虫では、アミロイドβの重合の影響を受けてGFPの蛍光は観察されなかった。

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