2022年7月2日 19:00
ソン・ガンホ、是枝裕和監督とのタッグで刺激「映画と人生において大切なことを見つめ直すきっかけに」
そのインタビューを終えてエレベーターを待っていたら、そのエレベーターが開いたときにソン・ガンホさんがいた」と運命的な出会いについて語っていた。ガンホも『誰も知らない』(04)で初めて是枝監督作品に触れてから「ずっとファンだった」そうで、「いつかタッグを」と相思相愛の思いを抱き、数年間からその実現に向けて是枝監督と対話を重ねてきたという。
本作でその長年の約束が叶ったが、ガンホは「長い時間がかかったけれど、作品として実を結ぶことができた。本当にうれしいです」としみじみ。「今回の撮影を通して、是枝監督の人生を捉える視点や、社会を冷静に見つめる芸術家としての眼差しを、より身近に感じることができた」と話す。
「私は本作でベイビー・ブローカーの男を演じましたが、ブローカーという設定が重要な部分ではないと思っています。本作は、こういった設定、題材を通して、私たちが生きている社会の空気や、社会がどのように成り立っているかを語っている映画だと感じています。是枝監督は、物語に劇的な加工をするわけではなく、非常に冷静な眼差しで社会を見つめている。
そういった意味では、是枝監督作品には、現実を感じさせられる怖さのようなものもありますね」