戸田恵梨香&永野芽郁、「理解できない役」どうする? “能力勝負”と挑んだ映画『母性』
と思ったりもします。自分じゃない人の考えを持って生きているのは、役を通してしかできないことなので、純粋に面白いなと思って臨むことが多いです。
――役に対しての「わからない」部分は、撮影に入ってから解消はされたのでしょうか?
戸田:脚本にも携わっていた谷口プロデューサーに確認しながら進めていましたけど、1番難しかったのは「私が間違えていたのです」というセリフで。ルミ子は本当に自分の育て方や娘にかけてきた愛情が間違っていたとは思っていないはずなのに、なぜあの時彼女がそう言えたのか……。そこはやっぱり何十年も母親の正解を探して生きてきて、娘にも「おばあちゃまがどうしたら喜ぶのか考えて行動し発言するのよ」と教えてきた人だから、神父様と向き合ってきた時に「私が間違えていた」と言わないといけないと考えたんですよね。ある意味「神父様に言わされたセリフだ」という説明を受け、ようやく「やっぱり、ルミ子ってそういう人なんだよね」と改めて腑に落ちるところがありました。最初の方に撮ったシーンだったんですが、序盤でそこを理解するのが重要でした。
永野:私も、掴みきれないまま撮影が終わってしまったんです。
もちろん、清佳が母を守るために怒ったり泣いたりする気持ちは理解できるんですが、その2人を取り巻く環境が理解し難いところで、ずっと難しいなと思っていました。