2023年11月11日 10:00
『北極百貨店のコンシェルジュさん』川井田夏海&大塚剛央が語る、声優を目指すきっかけになった“憧れの人”とは
レストランなど、シーンで描かれる様々な施設もすごく細かく描かれていて、原作で想像していたものをさらにブラッシュアップしたような、そんな雰囲気が感じられました。
――私は映画で初めて拝見したのですが、温かいけどそれだけじゃない、独特な雰囲気と後味の作品でした。
川井田:温かい中にも突き刺さるものがありますよね。いいことばかりではなく、人生において向き合わなければならない瞬間であるとか、どうにもならないあきらめの部分もちゃんと描かれている。この北極百貨店の根本にあるものも、人間が向き合わなければならない、考えていかなければならないことを突き付けているんですけど、でもそれが押しつけがましくない。
――温かいのに不穏であるというのが、本当に絶妙な作品の雰囲気になっていますよね。
川井田:そうなんです。本当に絶妙なバランスで、でも同時にアンバランスであるという。
そこがとても魅力だなと思いました。
大塚:全部を説明してしまう作品もけっこう多いと思うんですけれど、この作品はそこまで深く説明せずに余白を残しているところもあったりして、それが僕たちに考えさせる要素になっているのかなと。あのアザラシはあのあとまた店に来るのかなとか、そういうこちらの想像の余地がたくさんあって、見る人によって印象が変わるのかなって。