産総研、eDIPS法による単層カーボンナノチューブの工業生産プラントを開発
の「ナノカーボン応用製品創製プロジェクト」の成果として、2006年にCVD法の1つであるeDIPS法を開発し、小規模の装置でも精製が不要となるほどの高純度SWCNTを合成できることを実証した。これまで、このeDIPS法について、研究成果の社会還元を目指して複数の企業への技術移転を行ってきたが、市販には至らず、課題となっていた。
一方、名城ナノカーボンでは主に従来のアーク放電法によるSWCNTを製造販売してきた。しかし、アーク放電法は量産性が低く、またアモルファスカーボンやグラファイト性の不純物カーボンが多いことなどが問題だった。これまでSWCNTの純度を向上させるための精製技術や分離技術の開発を進めてきたものの、量産性が高く合成時に高純度高品質なSWCNTを製造できる技術開発の必要性を感じていた。
そこで今回、産総研のeDIPS法と名城ナノカーボンの持つSWCNT製造に関する各種技術を組み合わせ、eDIPS法の量産技術実証と工業生産プラントの開発を共同で行うことになった。新たに、eDIPS法による実験室規模の製造装置や各種ノウハウなどの技術情報を基にして、名城ナノカーボンの尾張瀬戸工場内に工業生産プラントを設置し、同プラントの種々の反応条件を最適化した。