鉄道トリビア (142) 300系「のぞみ」が名古屋・京都を飛ばした理由
「のぞみ301号」が名古屋駅と京都駅を通過した理由は、飛行機に対抗する都合上、新大阪駅にどうしても朝8時30分に到着したかったからだ。
新大阪に8時30分に到着すれば、大阪のたいていの企業には9時に到着できる。
つまり、「朝イチの会議に間に合いますよ」とビジネスマンにアピールしたかったのだ。
新幹線は保線や沿線環境の条件から、営業運転は朝6時以降。
東京駅を6時に出発して、新大阪駅に8時30分に着くためには、名古屋駅、京都駅停車では間に合わなかった。
ただし、不思議なことに同じ時間帯の上り「のぞみ302号」は名古屋駅と京都駅に停車していた。
しかも新大阪駅6時ちょうど発、東京駅8時30分着だ。
なぜ下り列車は名古屋駅と京都駅を通過し、上り列車は停車できたのだろう? 理由としては、名古屋・京都・新大阪の駅間が短く、実質的に旅客需要がなかったとも考えられる。
もうひとつの理由として、当時の東海道新幹線は早朝の東京寄りの区間で減速する必要があったという。
新横浜駅停車は所要時間に影響がなかったものの、徐行の遅れを回復するため、その先で停車駅を減らす必要があった。
前述の通り、1997年11月に「のぞみ301号」