鉄道トリビア (144) 十和田観光電鉄や長野電鉄にも…地方私鉄に「転職」しやすい電車の特徴
その後、大手私鉄は旅客の急増に対応するため、さらに大きな20m車を導入し、線路設備を改良した。
だが地方鉄道では20m車への対応が行われず、18m車のままだった。
こうなると、大手私鉄の中古車が欲しくても、20m車は導入できない。
そんな中、大手私鉄でも18m規格が残された路線があった。
それが東急目蒲線や池上線、地下鉄日比谷線、京王井の頭線などだ。
地方で活躍する東急の電車の多くが、目蒲線や池上線、東横線の地下鉄日比谷線乗り入れ用として活躍した電車たちである。
同様に京王井の頭線3000系も、大手私鉄の18m車として地方鉄道に人気がある。
なお、京急電鉄や京成電鉄も18m車だし、地下鉄にも18m車は多い。
しかし、京急電鉄や京成電鉄は線路の新幹線と同じ1,435mmと広く、台車を交換しないと導入できない。東急電鉄は1,067mmで、日本で最も普及した幅だから、地方鉄道でもそのまま導入できる。
地下鉄車両のうち18m以下の車両だと、元日比谷線の3000系が長野電鉄で活躍する例がある。
地下鉄でも銀座線などは、電気を第3軌条から受け取る仕組みだから、地方鉄道で導入するには大改造が必要でコストが高くつく。