急増する新興国の中間層~日本の景気にも好影響か
中でも、消費意欲が特に旺盛とされている中間層の拡大は、経済をさらに活性化させると考えられることから、中間層の拡大は新興国経済の今後の発展における重要な要素になっているといえそうです。
そうした中、経済産業省が3月中旬に公表した調査結果によると、アジアなどの新興15ヵ国で今後20年間に消費の牽引役となる「中間層」は3倍以上増加する見通しです。
また、これらの国の中間層の中でも、特に消費力の高い層とみられる「上位中間層」(世帯年収1万5,000米ドル以上、3万5,000米ドル未満)は、2010年の約2.5億人から2020年には約7.7億人に増えると試算されています。
そのうえで、経済産業省は、これらの新興国で中間層が急激に増える時期は日本でいえば1960~70年代に相当すると指摘し、洗濯機や冷蔵庫、テレビなど耐久消費財が普及するほか衣料や教育医療への支出も増えるとしています。
こうしたことは新興国の中間層の拡大が、新興国の成長のみならず、様々な面で大きな意味を持つことを示しているとみられます。
現在、多くの日本企業が、新興国の中間層の拡大を見据えて、専用商品の開発を行なうなど、中間層の需要開拓を視野に入れた戦略を打ち出しています。
また、経済産業省においても、新興国の消費市場を獲得することを急務と位置付け、今年の6月を目処に戦略をまとめる方針です。
こうした取り組みにより、新興国における日本企業の収益機会の拡大に一層の弾みがつくようであれば、日本の景気にも好影響を及ぼしていくものと期待されます。
(※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。
)(2012年3月27日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。
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