鉄道トリビア (154) 航空会社の国内便が電車だった!?
だった。
所要時間は少し遅くなってしまうけれど、列車なら都市の中心部に直行できるし、途中のケルンやボンなどの主要都市も結べる。
なによりこの鉄道ルートは、ライン川沿いの景色の良いところを走る。
海外、とくに日本からの観光客は喜んで列車を選んでくれるだろうという算段だった。
「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」は1982年から走り始めた。
使用された車両はドイツ国鉄のET403形電車だ。
もともとドイツ主要都市を結ぶ特急列車に使うために造られた車両である。
全車1等席で、コンパートメントタイプの座席と一般型座席の2種類があった。
4両編成で中間車の半分が喫茶室だった。
運転はドイツ国鉄の職員が担当し、接客サービスはルフトハンザ航空のパーサーとキャビンアテンダントが担当した。
この列車はドイツ国鉄の時刻表には掲載されておらず、ルフトハンザ航空が全世界で配布する時刻表冊子には掲載されていた。
つまり、各国の旅行代理店が航空券として予約・発券できる列車だった。
フライトナンバーは「LH1001便」から「LH1008便」まで、1日4往復。
当時は航空機を乗り継ぐ場合、チケットが何枚も重ねて閉じられた。