2012年8月2日 19:04
大きな揺れでも書棚からの落下を防ぐ。特殊なテープで地震対策がさらに前進
そこで開発されたのが、同製品だ。
すべり止め効果をもつ特殊なテープなため、書棚の前端に貼るだけで、地震の揺れでも書棚と本や書類の摩擦が増加し、落下せずに書棚の中に留まる。
発表会では、「落下抑制テープ」を貼った棚と貼らない棚を揺らして比較。
揺れが始まってから数十秒でテープを貼らない棚の本はすべて落下したのに対し、テープを貼った棚は、テープのところで本の動きが止まり、落下した本は一冊もなかった。
起震車を使った実験でも、その効果が実証された。
震度6弱の揺れを起こした場合、テープを貼らない書棚からは本やファイルが落下。
しかし、テープを貼った書棚からの落下は見られなかった。
この実験では、書棚の上に本立てを設置し、ファイルを収容していたが、テープを貼ったほうはそこからの落下もなかった。
同社では、昨年の東日本大震災の際、図書館で書籍が落下したことによる被害と、その後の復旧作業が大変だったと聞き、「図書落下防止用テープ」を開発。
アイデア創出から2カ月という短期間で製品化したという。2011年7月に図書館向けの製品として提供をスタート。
すでに全国の大学図書館や公立図書館で採用されている。