「交通事故」による”経済的損失”は3兆2000億円にも、物的損失が半数超
日本損害保険協会は6日、交通事故を経済的損失の観点から捉えた報告書「自動車保険データにみる交通事故の実態(2010年4月~2011年3月)」を作成したと発表した。
同書は、自動車保険統計における支払保険金データをもとに、「経済的損失」という観点から近年の交通事故の実態を分析し、提言としてまとめたもの。
特に、運転免許保有者の高齢化に伴い、高齢運転者の関係する事故が増加している実態を踏まえ、高齢者に向けた交通安全対策に焦点をあてている。
これによると、2010年度の交通事故による経済的損失は3兆2,108億円に上っている。
このうち、物的損失が1兆7,424億円で、全体の54.3%を占めている。
損保協会では、交通事故の低減に向けた啓発活動や交通安全教育の現場、あるいは交通安全施策に関する調査研究などの場面で、本書の内容・データを活用してもらいたいとしている。
交通事故による経済的損失は依然高水準。
高額化しやすい後遺障害の軽減対策とともに、増加傾向にある自損事故の対策も必要
重傷化しやすい腹部受傷のほか、車外放出等による全身受傷の危険を軽減するため、全席でのシートベルトの正しい着用推進が重要
運転者全体に占める高齢運転者の割合の増加を踏まえ、高齢運転者による人身損失の低減に向けた交通安全啓発が重要
高齢運転者による、構築物衝突などの物的損失の増加も深刻であり、効果的な対策が必要
同書の入手方法は、同協会サイト中のリンク先からダウンロード可能。