「LCC」とは何なのか - 海外の先行事例から学ぶ
どちらのターミナルも搭乗ブリッジはなく、ビジネスジェットであれば徒歩または専用の送迎車で、定期便であれば徒歩で飛行機に乗り込む。
コスト(ビジネスジェットは時間の浪費、LCCはお金の消費)を徹底的に嫌う2つの交通輸送システムが占有している、ある意味で象徴的な空港といえる。
日本の航空は、JAL・ANAのような大手航空会社の定期便が大半を占めるという非常に狭い世界に限定されてきたためか、諸外国に比べて市民との距離感が大きいといえよう。
「飛行機での空の旅」が”晴れ着”のようなイメージで捉えられてきた結果の1つが、需要規模に比べて不釣合いに立派な造りの赤字空港の数々である。
「いかに飛行機を使いこなすか」よりも「いかに立派な玄関口を造るか」という見栄が先行し、過剰で不必要な巨額の設備投資が繰り返されてきた。
しかし飛行機を日常の足として使っている国々では、空港には「自分たちが、いかに手軽に飛行機を使えるか」という機能性を求めている。
欧米ではLCCターミナルの必要性が低いというのも、空港の大半は最初から簡素な造りになっているからだ。
21世紀はこれまで以上に活発に飛行機を使いこなし、世界各地と交流を深めることが求められる。