ブラジル中央銀行は8月29日の金融政策委員会で、政策金利を0.5%引き下げ、過去最低水準の7.5%とすることを決定しました。
ブラジルでは、2011年前半までの大幅な利上げなどで国内景気が鈍化したことや、欧州債務問題の拡大懸念を背景とした、自国景気への予防的な措置として、2011年8月以降、利下げ局面が続いています。
ブラジルのみならず、金融緩和によって経済を下支えする動きは、他の新興国でもみられており、例えば、インドでは、2012年4月に3年ぶりとなる利下げを決定し、また、中国でも6月に3年半ぶりの利下げを発表、翌7月にも追加の利下げが行なわれました。
一般に、利下げを行なうことで、市場金利が低下し、企業や個人の資金調達が容易になるとともに、設備投資や個人消費が刺激され、景気の下支えが期待されます。
実際に利下げの効果が景気に表れるまでには、相応の時間差を伴ないますが、景気に先行するとされる株価は、利下げの効果を先んじて織り込むように、利下げ局面で上昇する傾向にあると考えられます。
実際、新興国の大国であるブラジルと中国を例に主要株価と政策金利の推移をみると、過去においては両国ともに、利下げ局面で株価指数が上昇する傾向がみられていました。