海外牛丼事情 (3) タイ「吉野家」、二度目の進出
値段は牛丼の並が109バーツ(約275円)、大盛りで139バーツ(約350円)、豚天丼にいたっては99バーツ(約250円)と、日本の牛丼より安い。
それでもタイの平均的な一品料理と比べると随分と高いが、先に紹介した「筋肉牛丼」や「牛野家」に比べると価格は抑え目。
そこは蓄積されたノウハウの差なのかもしれない。
従業員の訓練も行き届いているとみえ、店内は混みあっていたものの注文してから数分で料理が運ばれてきた。
以前の吉野家は、味も雰囲気も日本のそれと異なっており、「タイ人には高すぎる」「日本人には日本の味と違い過ぎる」というのが原因で撤退したという話だが、新生タイ吉野家は直営店でもあり、味はばっちり日本のまま。
頼みもしないのに激しくつゆだくだったことはサービスだったと思うことにしよう。
だが、問題は豚天丼である。
店舗の前に掲げられた映像でも牛丼だけでなく豚天丼の作り方をじっくり説明していたりして、相当な自信作だと思って注文したのだが、これがなんだか残念なことになっていた。
とにかくかたいのである。
天ぷらといえば衣はさっくりしていてほしいものだが、こちらの衣はなにか間違っているのではと思われるほどガリガリとかたく、肉もそれに負けないくらいの強度である。