2012年10月10日 08:03
IMFの世界経済見通し~欧州経済の停滞が世界経済に影響
IMF(国際通貨基金)は10月9日に世界経済見通しを改定し、2012年の世界の成長率予想を3.3%(7月時点3.5%)、2013年の予想を3.6%(同3.9%)とそれぞれ下方修正しました。
欧州経済の停滞が、先進国のみならず、成長の中核を担う新興国にまで波及しており、IMFでは、「世界経済が数ヵ月前よりも先行き不透明な状況に陥っている」と分析しています。
先進国の成長率予想は、2012年を1.3%に、2013年を1.5%に、それぞれ引き下げました。
底堅い個人消費や株価の上昇などを背景に、米国の2012年の成長率をわずかに上方修正しましたが、IMFが「世界経済の最大のリスク」と指摘するユーロ圏の成長率は、2012年を▲0.4%、2013年を0.2%と、それぞれ下方修正しました。
ドイツやフランスなどユーロ圏の中核国は、2012年-2013年を通して、低水準ながらもプラス成長となり、その他の周辺国では、緊縮財政政策や金融情勢が成長を抑制することから、2012年の成長率は急速に落ち込むものの、2013年には回復に向かう可能性があると分析しています。
また、日本については、2012年の成長率予想は2.2%で、東日本大震災からの復興需要が一巡する2013年は1.2%成長にまで低下するとしています。