福岡のギョーザが小さいのはなぜ? ひと口ギョーザのルーツを追う
宝雲亭では創業以降、福岡の人の嗜好(しこう)に合わせて、餡(あん)をアレンジしたり、皮がカリッと焼けるよう粉の配合を工夫したりして今に至るそうだ。
ではどのようにして小さいギョーザが広まっていったのだろう。
「地元のギョーザ通の間で有名な早良区の店やギョーザチェーン店の主人も、もともとこの店で一緒に働いていた仲間なんですよ。
その方たちが独立してあちこちに店を出すうちに広まったようですね。
そうそう、長崎にある宝雲亭もそのひとつです」。
なるほど、そういうことだったのか。
宝雲亭のギョーザは、仕込みから完成まで、今も創業当時のままのレシピで作っているという。
ギョーザの皮は、パリパリ感とモチモチ感の両方が味わえるだけでなく、モサモサして食べにくくならないよう研究を重ね、絶妙な薄さに仕上げられている。
具は豚肉と玉ねぎだけを使い、素材の味が引き立つよう秘伝の味付けを施すだけ。ギョーザに付き物のニンニクを使用していないのが特徴だ。
これらの材料を使い、1日に作るギョーザの数は2,000~3,000個。
機械は使わず、昔と同じようにひとつひとつ手で行う。
作業を見せてもらうと、そのスピード、正確さには驚くばかり。