ボージョレ・ヌーヴォー、不作である今年のお味は? - ソムリエが解説
つまり、「とてもエレガンスで、潜在する香りがすばらしいワイン」ということだ。
今回71種類のボージョレ・ヌーヴォーをテイスティングしたのだが、実際、過去3年間のヌーヴォーより全般的に色調は薄め、アルコール度数も12%ほどと例年よりは若干低めである。
味わいは総じてヌーヴォーらしいライトでフルーティー。
しかし今回は特出すべきことが一1つ! 香りに個性が凝縮されているのである。
イチゴやラズベリーといった定番の香りはもちろんだが、鼻を抜けるようなコショウの香り、華やかなバラの香り、赤ワインなはずなのに、樽熟成した白ワインに使われる表現のマンゴーの香りまで、まるでデパートの香水売場のような賑やかしい匂いが炸裂!!これだけでも楽しいので、店頭でヌーヴォーが試飲できるうちにいろいろ試してみて、好みを探すのがオススメだ。
そしてあいかわらず日本は、ボージョレ・ヌーヴォーにおいて最優先市場であるという。
2位のアメリカ、3位のドイツに大差をつけてのトップであるからだ。毎年毎年、年に1度の解禁日にボージョレ委員会の会長が来日していることだけでも、その手厚さ加減を知ることができるというものだ(もちろん、ボージョレの帝王、ジョルジュ・デュブッフ氏もいらっしゃいましたよ)。