2012年11月12日 19:40
この犬はどんな犬!? 犬種を学んでみよう (11) 天然記念物に指定された美しい日本犬-四国犬
■四国犬の歴史
四国犬は、日本原産の中型犬種で、国の天然記念物に指定された7犬種(現存は6犬種)の1つです。
かつては土佐犬と呼ばれていましたが、四国犬をもとに闘犬として改良された別犬種の「土佐闘犬」との混同を避けるため、四国犬と改称されました。
四国犬は、紀元前より日本にいた中型犬が祖先とされています。
大正、昭和の初期から現在の高知県を中心とする四国山脈の山間部で、主にイノシシやクマ狩りのための狩猟犬として活躍してきた犬種です。
交通の便が悪い険しい山岳地帯で飼育されていたことが功を奏し、純粋性を保つ結果となりました。
産地によって「阿波」「本川」「幡多」「安芸」「宇和島」などの系統に分かれていましたが、飼育地がへき地だったことから「本川」系がもっとも純血性が高いとされています。
昭和初期、洋犬の輸入が活発になり、日本犬を飼う人が減少した際に日本犬を保存しようという機運が起こりました。
優秀な日本犬を求めた結果、四国の山間部から四国犬が発掘され、全国に紹介されます。
1937年には国の天然記念物に指定されましたが、その当時は「土佐」と呼ばれていたことは前述の通りです。
現在では家庭犬として一般家庭にも定着しましたが、その素朴で野性味を残した風貌や性格で、熱狂的なファンを有しています。