2012年11月1日 11:41
和歌山県には、四方を他県に囲まれた全国で唯一の村がある?
地図を見ていると、突然、とんでもないところに他の国や県の名前が書かれていることがある。
かつてドイツが東西に分かれていた頃のベルリンなどもそうだが、こうした場所のことを“飛地(とびち)”と呼ぶのをご存じだろうか?辞書によると、飛地とは「他の区域内に離れて存在するが、行政上は主地域に属する土地」。
なぜそうした土地が存在するかというと、河川の流路変更、領土の買収、集落ごとのため池設置など、理由はいくつかある。
そして実は日本にも、県や市町村の飛地は数多く存在している。
それでもそのほとんどはどこかの自治体に隣接しているのだが、和歌山県に唯一、同じ県の自治体と接していない村がある。
それが、「北山村」だ。
周囲を奈良県と三重県に囲まれた北山村とは、どんなところなのか?北山村は紀伊半島南東部の山間部にある。
村域の約97%が山林で、村の中を流れる北山川沿いのわずかな平地に集落が集まっている。
現在の人口はわずか500人足らずという小さな村だが、かつては林業で栄えたこともある。
林業が盛んな頃には、山で育てた木を利用していかだが作られ、北山川から輸送されていた。
その北山川が新宮川の支流ということから、最終的には新宮に運び出されて全国に搬送されていた。