2012年11月22日 09:03
国債格上げとともに信用力向上が期待される新興国社債
新興国では、目覚ましい経済成長や財政基盤の強化などを背景に、国債格付に改善傾向がみられており、新興国社債においても、格付の改善に期待が寄せられています。
企業にとって社債発行は、長期的な資金や多額の資金を調達するために利便性のある資金調達手段の一つとなっています。
特に新興国では、資金調達を銀行融資に頼る企業も多いものの、欧州債務危機などに伴なう金融機関の融資削減や、設備投資の拡大や競争力の強化など強い資金調達ニーズなどから、社債発行は増加傾向にあります。
現在、新興国企業の収益拡大とともに財務体質の健全化が進んでいますが、企業の信用力ともいえる社債格付は、個別企業の財務状況に加えて、その企業が属する国の格付の影響も受けることから、企業ファンダメンタルズが良好であっても、格付が低水準にとどまる傾向があると考えられています(※ソブリンシーリング)。
これまで国債が段階的に格上げされてきたブラジルを例にみると、国有企業であったブラジル石油公社や、国際的な事業展開を行なうヴァーレなど、一部には国債格付を上回る場合もみられるものの、国債が格上げされると、同時期に社債格付が変更される傾向がみられ、国債格付が一つの判断基準として影響していると考えられます。