これら特性を見た上でメニューを考える。
まずエゾ鹿タンは香味野菜と一緒に茹でて一晩寝かせたのち、かたい皮をはぎ取って刻む。
その上で玉ネギ、人参、トマト缶、ジャガイモを加え、赤ワインとデミグラスソースで味を調える。
小麦粉のルーでとろみをつけて皿に盛り、生クリームをあしらった「エゾ鹿のタンシチュー」。
ワニタンはカブやジャガイモ、ニンジンと共にスープで煮て塩味で仕上げた「ワニタンのポトフ」。
あるいはショウガ醤油に漬け込むか香草を振り掛けた上で小麦粉をはたきつけ、オリーブ油で焼き上げた「ワニタンのムニエル」。
空腹をおさえつつ撮影を終え、さっそく試食。
シチューにしたエゾ鹿タンは実に味わい深い。
香味野菜と数時間煮込むことで臭みが消し去られ、噛めばホロホロとほぐれる。
濃厚な味は付け合せのクリームでまろやかになる。
一方でワニタンはプリプリした歯ごたえ。
ホタテの貝柱に鶏のモモ肉を足したような旨味は、軽い醤油味を受けてさらに引き立てられる。エゾ鹿タンとワニタン、どちらも甲乙つけがたい旨さ。
新たな「タン料理」の素材として、広く味わっていただきたいものだ。
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