2012年12月12日 08:32
「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (23) 華々しく長期投資の旅に船出するもリーマン・ショック…だが耐え抜いて自信
もちろん世間のほとんどのファンドでは怒涛の解約換金のラッシュです。
あのどん底の時期は、確かに世界経済から一切の需要が消え失せ、銀行間市場では取引が成立しないという、誰も想像したことのない恐怖の現実が起こっていました。
私自身も正直、資産運用業界はすべて壊滅してしまうかもしれない、セゾン投信も…と弱気の虫が心の中で泣き続けていました。
そんな真っ只中の時、福岡の大学生から手紙が届いたのです。
「どんな嵐の中であろうと、私たちは長期投資の列車に乗っているので全然不安じゃありません、大丈夫です。
これからも頑張って行きましょう。
」と書いてありました。
後頭部を打ち砕かれ目が覚める思いでした。
どんな時でも泰然自若と冷静に世の中を俯瞰するべき立場の自分が、若いお客様たちに励まされている。
我に返りました。
するとそれからいくつものお手紙やメイルが続々と会社に届くようになったのです。
いずれもお客様からの激励の言葉ばかり。
そして間もなく解約は止まりました。
結局月次の資金流入超を維持したまま「セゾン号」は金融危機を見事耐え抜き、その間頑張って投入下さったお客様の資金をフルに、どん底の相場の中で買い進むことが出来ました。